アニメ大国支えるプロダクション 「ちびまる子ちゃん」の制作秘話(日本アニメーション株式会社 代表取締役社長 石川和子)

カテゴリー:その他 2019.10.05

日本アニメーション株式会社 代表取締役社長 石川和子氏

弊社は1975年、私の父・本橋浩一によって設立されました。アニメ制作プロダクションとして、「ちびまる子ちゃん」「世界名作劇場」をはじめ、「釣りキチ三平」「ドカベン」など134作品を世に送り出してきました。現在は、映画やCM制作も行っております。

現在放映されている、NHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」は、アニメ制作に関わる女性・すずが主人公ですね。そのモデルは、アニメーターの奥山玲子とされています。彼女は弊社の草創期に活躍した、女性アニメーターの草分け的存在。「母をたずねて三千里」では作画監督を務めています。ちなみに、すずの夫役のモデルは高畑勲さんだと私は見ています。それから、もじゃもじゃ頭の青年が出てきていますが、あちらは宮崎駿さんでしょう。

弊社は「世界の子供や大人たちに素晴らしいアニメーションを提供し、感動を与え、人間性の涵養に寄与したい」ということを理念に掲げてまいりました。実写にはない絵の力で、子供たちは想像力をかきたてられます。そうした経験を通じて、心を育ててほしいと考えているのです。

ここで、弊社の代表作「ちびまる子ちゃん」にまつわるエピソードをご紹介しましょう。ちびまる子ちゃん制作開始のきっかけとなったのは、父・本橋浩一と私の娘の会話でした。私たちは3世代で暮らしておりましたが、娘が小学3、4年生の頃、父が「学校では、どんなものに人気があるんだ?」と尋ねました。すると娘が「ちびまる子ちゃんっていう漫画が、おもしろくて人気があるよ」と答えたんですね。父はピンときたようで、すぐさま自らスポンサー営業を行い、NTT様にご尽力頂いて午後6時台の放送枠を確保しました。

ところが、制作現場は大変です。それまで日本アニメーションといえば、世界名作劇場で表現してきたような、美しく奥行きのある自然描写などが特長でした。しかし、ちびまる子ちゃんの絵は平面的で、全く画風が違います。社員の間には戸惑いもありましたが、1990年1月に放送をスタート。その年の10月には、視聴率39.9%を獲得する大ヒットとなりました。

原作者のさくらももこさんは亡くなってしまいましたが、現在も年間約50話を制作しています。実は、原作は130話程しかありません。これに対し、これまで放送してきたアニメは1200話を超えています。ですから、アニメは原作を大切にしつつ、7名のライターがオリジナルストーリーを作っております。30年近い制作期間の中で、スタッフは入れ替わってきましたが、全てのスタッフは「まる子愛」に溢れ、情熱的にアニメ制作に取り組んでいます。さくら先生はまる子の中に生き続けると信じ、これからもずっと、アニメ制作を続けていきます。

プロフィール

石川和子

1973年三菱商事株式会社入社 広報室に配属。1984年 日本アニメーション株式会社入社。 2010年代表取締役社長に就任。『世界名作劇場』『 ちびまる子ちゃん』 に代表される120を超える作品を作り続けてきた、 創業40周年を超えた日本アニメーション株式会社の創業者、 本橋浩一の「 世界の子供や大人たちに素晴らしいアニメーションを提供し、 感動を与え、人間性の涵養に寄与したい」 という理念を常に身近で体感し続けてきた石川和子氏。創業者の” 理念”や”想い” を大切に受け継ぎ、次の世代にむけた新たなる『名作』 を作り続けるため、制作事業をベースに、 独自のライセンスビジネスを展開。『コンテンツ創造企業』 へと成長著しいアジアそして、全世界へ向けて発信し続けている。

 

日本アニメーション株式会社 

大人から子供まで楽しめるアニメの企画と製作、及びライセンスビジネスの創出。『ちびまる子ちゃん』『うっかりペネロペ』『世界名作劇場』シリーズを代表作に、120を超えるアニメーション作品を製作する、1975年設立の業界でも老舗の企業。日本動画協会正会員。

映像作品(テレビ、劇場映画、ビデオグラム、CF)の企画制作、キャラクター商品の企画開発、商品化権許諾、物販や展示イベントの企画制作

https://www.nippon-animation.co.jp/